金ETFが作られた理由は?
金ETFというのは、2003年3月にオーストラリア・シドニーの証券取引所に初めて上場し、12月ロンドンと続き、2004年11月にはニューヨークに上場して、急速に投資商品として普及をし始めたものです。
金ETFという投資商品が作られた目的は、年金基金をはじめとする機関投資家の呼び込みにありました。
というのは、基金が、購入した金の保管・保険・運搬にコストがかかるのに金利がつかないというデメリットがあったことで、金投資に対して消極的だったからです。
金ETFは実物の金を裏付けとした有価証券ですので、コストは大幅に低くなります。あと残る問題は「金利を生まない」点となります。
年金基金が金ETFを購入している理由は?
しかしながら、2007年頃からは、基金が投資対象としている資産に信用不安が広がったことや、将来のインフレ懸念などもあり、たとえ金利を生まないとしてもヘッジのためにポートフォリオの一部に金を加えるという動きが顕著になりつつあります。
なので、2009年以降は金融危機が深化することにより、さらに金ETFへの資金シフトが進むのではないかと思われます。
ちなみに、欧米の個人投資家の間でも金(ゴールド)を買い始める動きが起こっています。
欧米では一部の機関投資家を除いては、金には見向きもしなかったと言われていますが、2008年の秋を境に金地金や金貨が急ピッチで売れ始め、そこに金ETFが加わり金投資の大きな流れができつつあるのです。
なお、金投資については、ヘッジファンドなどの集中的な換金売りの可能性もありますので、上下に荒れることが予想されますが、中長期的には上昇が期待できると思われます。
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