円キャリー取引とはどのような取引ですか?
インフレ率を考慮せずに数字だけを見ますと、日本円は世界の主要国の中でも最も低い政策金利をとっています。また、インターバンク市場においても豊富な資金供給を行っています。
これにより、円を調達した外資系金融機関は、その資金を海外で有効活用しているのですが、円キャリー取引というのは、こうした取引のことをいいます。
円の強みは?
日本の経常収支は黒字が続いていますので、その安定性は抜群です。よって、世界の経済、特に金融が大きく動揺すると、円に回帰する動きが強くなる、つまり、円高になります。
サブプライム問題のときの動きはまさにこの典型的な例といえます。対米ドルだけでなく、対ユーロや対豪ドルでもこうした動きが顕著に見られました。
かつては、世界で戦争や紛争が起きると米ドルが強くなることがありましたが、現在は金価格が上昇するようになっています。
円の弱みは?
上記のように、円は世界経済や金融に動揺が起きればいつでも強いのかといえばそうではなく、極東地域の紛争には弱いです。
例えば、北朝鮮がミサイル実験をした報道などが出ると円は売られます。なので、今後も中国の国内問題や台湾問題が噴出した際には円は売られると考えられます。 |