産油国がドル・ペッグ制を見直すとどうなるのですか?
中近東の産油国のほとんどがドル・ペッグ制を採用していますが、近年は「ドルが弱い」という理由から、これに疑問を持ち始めています。
一方、ユーロが新たな基軸通貨の役割を担おうとしていますが、もし、産油国が完全にドル・ペッグ制を見直すとなると、原油価格はドルからユーロ表示になります。
そうなると、外貨準備の少ないアメリカは、原油を輸入するためにドルを売ってユーロを購入しなければなりません。
原油の最大消費国であるアメリカが、原油輸入のために大量のドル売りを余儀なくされたとしたら、これはドル暴落必至です。
これを防ぐために金利を引上げるとすれば、米国経済は大きな打撃を受けることにもなりかねません。
中東産油国がドルが弱くなっては困る理由は?
次のような理由により、中東産油国はほかのドル・ペッグ制や通貨パスケット制を採用する国々と協力して、米ドルを支えているのです。
■外貨準備高の多くをアメリカ国債で保有している。
■ドル・ペッグ制や通貨バスケット制を採用している。
■莫大なオイルマネーを保有している。 |