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2003年の日銀の巨額な為替介入

どのように円高をコントロールしたのですか?

2003年の日本経済はデフレに陥っていましたので、その克服にはある程度のインフレもやむを得ないとする意見も多くありました。

日本銀行は、国内景気を喚起するためにゼロ金利政策を採り、為替についても円高を阻止するために積極的な介入を繰り返していました。

ちなみに、このときの為替介入の金額は、1〜3月で2兆3,000億円にも達しています。しかしながら、4月にはついに日経平均株価が8,000円を割り込むまでになってしまいました。

その頃、アメリカはどうだったのですか?

アメリカも日本と同じような状況で、コストの安い中国製品の輸入も影響して、FRBは恒常的なインフレ率の低下に苦慮していました。

そして、2003年5月には、FRBのグリーンスパン議長が、デフレ克服のために政策金利の引下げを示唆すると、アメリカの短期金利が低下するという予測が市場に広まり、1ドル120円から115円まで買われ、さらに円高になったのです。

政府・日銀は、この事態に即座に反応し、為替介入で円高を阻止しようと、大量のドル買いに奔走しました。ちなみに、この動きに対して、アメリカ政府は目立った批判はしていません。

これは、小泉首相とブッシュ大統領が良好な関係を築いていたということもありますが、介入によるドル資金がアメリカ国債の購入にあてられたので、イラク戦争に突入していたアメリカにとっては、資金的な面で都合がよかったからです。

為替介入の取りやめ

日本の景気がようやく持ち直してきたのが2004年になってからですが、その3月には、デフレ状況が解消に向かっても巨額の為替介入を続けているとして、グリーンスパン議長が日本を批判しました。

この発言を受けてか、3月5日を最後に、政府・日銀は為替介入を取りやめることになったのです。


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