景気と金利はどのような関係にあるのですか?
以前、為替相場と物価の関係、金利と物価の関係、金利と為替相場の関係について取り上げ、それらが密接な関係にあると申し上げました。
今回のテーマ、景気と金利についても実はお互い密接な関係があります。
一般的には、景気が良くなると金利は上がり、景気が悪くなると金利は下がる傾向にあります。このようにいわれるのは、景気の良し悪しがお金の需要と比例関係にあるからです。
景気が良くなると金利が上がるメカニズムについて
では、具体的に、景気が良くなると金利が上がるメカニズムについて見ていきましょう...
まず、個人の側からみますと、景気が良くなれば当然給料等が増え所得が増加しますので、その結果、マイホームを購入したり、自動車を買い換えたりなど大型の消費需要が喚起されます。
こういった高額商品を購入するに当たっては、銀行などから借り入れたりする必要がありますので、お金の需要が増えるということになります。
一方、企業の側からみますと、景気が良くなって個人が物を買ってくれるようになると、その消費に追いつこうと生産を新たに増やすようになります。そのためには、当然、人を増やさなければならないでしょうし、また、機械等を購入したり工場を新たに建設するなど、設備投資をする必要がでてきます。
これは、通常は銀行などの金融機関からの借入や社債を発行することによって資金の調達がなされますので、その結果、お金の需要が増えるということになります。
このように、景気が良くなると、個人や法人のお金の需要が増えますので、金利は徐々に上がっていくことになるのです。
景気が低迷すると金利が下降するメカニズムについて
では、次に、景気が低迷すると金利が下降するメカニズムについてみてみましょう...
まず、個人の側からみますと、景気の低迷によって個人は消費を控えるようになりますので、消費が全体的に落ち込んでいきます。また、ローンなども極力避けるようになりますので、借入もしないようになるでしょう。
一方、企業の側からみますと、個人消費の落ち込みにより、全体的に物が売れなくなりますので、企業は新たな設備投資なども行わなくなり、減産体制に入ります。
そうなるとお金を借りる必要もなくなりますので、銀行等の金融機関からの借入も必要なくなります。
このように、景気の低迷によって、個人や法人のお金の需要が減るため、金利は徐々に低下していくことになるのです。
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