為替レートと物価はどのような関係にあるのですか?
為替と物価はどのように関係しているのでしょうか?
一般的には、国内の物価が上昇すると円安になり、その逆に、国内の物価が下落すると円高になるといわれています。
為替レートと物価の関係を具体例で示しますと・・・
仮に、日本とアメリカで全く同じチョコレートが、1ドル=100円のときに、日本でもアメリカでも1個買えるとします。
その後、日本の物価だけが上昇して、日本のハンバーガーの値段が120円になったらどうなるでしょうか?
もちろん、日本では120円出さないとハンバーガーを買うことはできませんが、アメリカでは今までと同じように1個のハンバーガーを買うことができます。
このように、日本の物価が上昇して1ドルが100円から120円になったということは、1ドルが100円から120円の価値を持った、つまり、円の価値が小さくなったということができます。
100円だったものが120円出さないと買えなくなったのですから、円の価値が下がったというのは理解できると思います。
これがすなわち、円安ドル高になったということなのです。円安というのは円の価値が安くなったと覚えておくとわかりやすいと思います。
一般的には、日本国内の物価が上がると円安・ドル高に、逆に、日本国内の物価が下がると円高・ドル安になります。
このような考え方を「購買力平価説」に基づいた考え方といいます。長期的な為替トレンドを説明する際によく使われる考え方です。
購買力平価説というのは、「2国間の為替レートというのは、各国の通貨の購買力が等しくなるように決定されたものであって、さらに通貨の購買力というのは、その国の物価水準の逆数に比例する」という考え方をいいます。
先程のハンバーガーの例でもう少しわかりやすくいうと、同じハンバーガーだったら、日本でも外国でもその価値は同じということです。
購買力平価説について
では、購買力平価説をもう少し具体的にみてみましょう。
たとえば、米国でハンバーガーが2ドル、日本では200円、ハンバーガーは同じ価値のものだと仮定すると、2ドル=200円ということになりますので、ここから1ドル=100円という値が導き出されることになります。
基本的にはこれが購買力平価説の考え方になります。
といっても、これはあくまでも机上の理論なので、マーケット(市場)がこの通りに動くわけではありません。
しかしながら、中長期的な為替相場の動向を見る際に、多くの為替ディーラーがこの考え方を支柱に据えているということはよくいわれていることですので、参考にしてみるのもよいと思います。
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