ファンダメンタルズ分析のデメリット
ファンダメンタルズ分析の結果、米ドルが上昇するという結果が出たとしても、それがすでに為替レートに織り込まれている場合には、そこからさらに上昇する余地は小さいといえます。
また、ファンダメンタルズ分析のもとになる様々な経済データ自体、発表されるまでにはタイムラグがあり、必ずしも最新の状況を伝えているとは限らないということも考慮する必要があります。
それ以外にも、市場には様々なかく乱要因がありますので、経済分析だけで相場が予測できるとはいえないのではないでしょうか。
テクニカル分析のデメリット
一方、テクニカル分析こそが万能であるという考え方も、少し行き過ぎていると思われます。
というのは、チャートのみを見ているだけでは、今の流れがどのようにしてできているのかということが理解できないからです。
つまり、「金利が上昇しそうだ」とか「景気が拡大している」などといった状況がわからなければ、チャートが示している相場転換のシグナルを見逃してしまうことにもなりかねないからです。
特に、GDPやFOMC政策金利などの重要経済指標の発表というのは、市場にとって大きなイベントですから、それをめぐり価格は乱高下しやすくなります。しかしながら、テクニカル分析だけで、このような市場のムードを感じることは難しいといえるでしょう。
2つの手法をミックスして役立つツールに
ファンダメンタルズ分析かテクニカル分析かという問題は対立するものではなく、2つの手法を上手く使い合わせることによって、現実の投資に役立つツールにすることができると考えるべきです。
つまり、ファンダメンタルズ分析であれテクニカル分析であれ、どちらかに軸足を置いたとしても、もう一方の手法にも目配りを忘れないことが大切だということです。 |